Polished stainless steel Product SUS304
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Story

TSUTSUの風土
01

風雪に鍛えられて

燕三条のものづくりの起源は、江戸時代まで遡ります。信濃川の氾濫による危機を乗り越えるための農家の副業として和釘づくりがはじまり、農具、包丁、銅器、ステンレス製品へと、時代とともに産業を拡張。雪国の過酷な気候に耐え抜いてきた精神で、金属加工の技術を研ぎ澄ませてきました。

新潟県の中央に位置する越後平野。燕三条の金属加工産業は、この土地の豊かながら厳しい自然環境を、人々が乗り越えてきた歴史とともに発展してきた。

日本海と越後平野の間にそびえる弥彦山。古くから人々の心の拠り所となってきた雄大な山々に見守られる場所に、TSUTSUの製造工場がある。

燕三条の景勝、八木ヶ鼻。高さ200メートル以上の岸壁がそそり立つ。普段は荒々しい岩肌が、冬にはしっとりと雪化粧される。

四季によって多彩に変化する八木ヶ鼻の表情は、TSUTSUのデザインのインスピレーションのひとつでもある。

日本最長の河川「信濃川」。燕三条の中心部を流れるこの川の氾濫による農作物の不作が、副業としての金属加工産業のはじまりを促したといわれる。

信濃川の治水工事には200年以上の歳月を要した。不屈の精神で洪水を治めた燕三条の人々と産業は、大きく発展していく。

日本海沿岸の極寒が、この土地の人々の忍耐強い気骨を育んできた。

厳しさの一方で、自然は私たちに、繊細な感性や静謐な美意識を芽生えさせてくれる存在でもある。

02

目に見えない精度まで

一本、また一本と。積み重ねてきた技術と感覚で、1/100mmの精度を見極めながら品質を磨き続ける職人たち。完成までの工程は70以上。製造から検品まで目に見えないほど微細な凹凸にも気を配り、はじめから継ぎ目がなかったかのような、なめらかさの極限を追求しています。

筒型に溶接したステンレスを薄く引き伸ばすスピニング加工。気温や湿度によって加工熱による金属の膨張率が微妙に変わるため、誤差なく仕上げるには、髪の毛一本単位の精密な調整技術が欠かせない。

機械にステンレスを取り付けたスピニング加工のBefore。この時点での厚みは0.3mm。

スピニング加工のAfter。0.3mmが0.1mmの薄さに。すべての工程で極限を追求するため、TSUTSUでは製品を一本一本、時間をかけて加工している。

黙々と手を動かし続ける研磨の職人。機械加工で極限まで薄くしたステンレスに、人の手でさらに磨きをかけていく。

製品の曲面を回転体に平行に押し当てて研磨する。わずかな乱れが命取りとなるため、繊細な力加減が求められる。

職人の目でなければ気づけない微かな凹凸や色の混在などを見極め、磨き抜かれたものだけが次の工程に進む。

どれだけテクノロジーが進歩しても、人の手や目の柔軟さや精緻さにはまだ敵わない。その鋭敏な感覚がTSUTSUの精度を研ぎ澄ませている。

「ボロノイシルバー」のマット加工も、一本一本、人の手で仕上げていく。

見えないほどの傷も見逃さず、わずかな妥協も許さない。TSUTSUの品質は検品によっても磨かれている。

全製品を2回、性能試験にかけてから出荷する。抜き取り検査が一般的だが、TSUTSUは全数検査。1本たりとも手を抜かない。

03

循環もなめらかに

限りある素材を無駄にしない仕組みづくりも、私たちのものづくりのひとつです。材料の仕入れ・加工・製造から端材等の回収・再利用まで、金属資源の循環を一貫して手がけています。また、プロダクトの再研磨サービスも考案中。できることを丁寧に取り組み、人と環境の関係もなめらかにしていきます。

外箱の素材は豪華さよりも持続可能性を優先し、再利用できるダンボールを選択。

内箱のあづま袋は、TSUTSUを持ち運び、表面の繊細な質感を守るためのもの。

Design

TSUTSUの精度